さまざまな不妊検査の項目のひとつに「卵管造影検査」があります。
卵管造影検査とは、卵管の詰まりや癒着といった卵管の障害を見つけるもの。もしも詰まっていたり、癒着したりしていると、卵子を子宮に運ぶことができず、受精がうまくいかなくなるからです。
検査では造影剤を子宮に注入してからレントゲンで卵管の通過性を調べます。でも実は検査で「卵管が片方詰まっていますね」とか「両方詰まっていますよ」といわれた方でも自然妊娠することがあります。
もちろん、ほんとうに詰まっていれば自然妊娠はありえません。体外受精や顕微授精をするしかないわけですが、どうして詰まっているのに自然妊娠できるのか……。それは、たまたま何かの拍子に卵管がきゅっと閉じてしまっていたからなんですね。
卵管というのは筋肉なんです。平滑筋という筋肉組織で、血管のように細くなったり太くなったりします。通常、筋肉の中に繊毛という毛が生えていて、この繊毛の動きによって卵は子宮のほうへ、子宮のほうへと移動するわけですが、それが何かのきっかけできゅっと閉じたり、細くなったりすることがあるのです。
血管も細くなることがありますが、血管が細くなってしまえば脳梗塞や心筋梗塞を招いてしまうけれど、卵管の場合は精子と卵子が出合えないわけですね。
なぜ卵管が閉じてしまうのかというと、筋肉というのは自律神経という神経の支配を受けているからです。ちょっと緊張したり、こわいな、いやだなと思ったりすると閉じてしまう。だから性格的にストレスを受けやすい人は、ちょっとした環境の変化で卵管が閉じることがあるのです。卵管造影検査で閉じてしまった人というのは、ふだんから閉じやすい状態にあると知っておきましょう。
そういった状態を機能性の変化といいますが、機能性に対して気質性というのが、内膜症などで癒着している状態をさします。機能性の狭窄や閉塞なら、漢方薬で筋肉の緊張をほぐしたり、精神的なリラックスをはかったりすることで、卵管が通りやすくなりますので、自然妊娠へ導くことができます。
病院で「卵管が詰まっていますね」といわれたとしても、こういったことも考えられますので、ほんとうに自然妊娠を望む方は、まずは漢方を試してみてはいかがでしょうか。