女性のからだは、周期的に変化します。なぜかというと妊娠の準備をするためです。
ホルモンの命令によって、 卵巣の中では卵胞が成長して排卵します。 このとき子宮内膜は、受精卵が着床しやすいように厚くなってゆきます。妊娠できなかった場合は、厚くなった子宮内膜がはがれ落ち、体の外に排出されます(月経)。
卵子が排卵した後に卵胞は黄体に変わり、プロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌します。このホルモンの影響で次の月経が始まるまでは、 基礎体温は高温となるのです。
こうした一連の流れが滞りなく、スムーズに起こることは当たり前のようですが、実は驚くほど複雑なメカニズムの上に成り立っており、それは科学の力が及ぶところではありません。
「妊娠のための体作り」をしてゆくにあたってご自身の体ではどんなことが起こっているのかを確認しておきましょう。
【ホルモンが月経周期をつくる?!】
月経周期の中で卵巣や子宮内膜に変化が起こるのは、自分の体から分泌されるホルモンの働きによるものです。
脳の中にある視床下部というところから「ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)」が脳下垂体に働きかけて、性腺刺激ホルモン「ゴナドトロピン」を放出させます。
ゴナドトロピンには「卵胞刺激ホルモン(FSH)」と「黄体化ホルモン(LH)」という2種類のホルモンがあります。
FSHは「卵胞」を発育させます。発育するにつれ卵胞から卵胞ホルモン(エストロゲン」が分泌されます。卵胞からのエストロゲンの分泌増加によって視床下部からのGnRHが分泌され、それによってLHの急激な増加(LHサージ)が起こり排卵を起こさせます。
LHの刺激によって排卵した卵胞は「黄体」になります。この黄体から「黄体ホルモン(プロゲステロン)」が分泌され子宮内膜には血液を供給する血管が増えてゆきます。妊娠が成立しない場合には一定の日数で黄体が萎縮し、黄体から分泌されていたプロゲステロンが減り、「子宮内膜」がはがれ落ちます(月経)。
●卵巣の中では
卵巣の中にはたくさんの卵胞(原始卵胞)」があり、そのうちのいくつかが月経期に直径5mmくらいに発育します。これらの卵胞は脳の下垂体から分泌される「卵胞刺激ホルモン(FSH)」の作用によって徐々に成長し、直径が8mmくらいになると「卵胞ホルモン(エストロゲン)」の分泌が増してきます。
その後、たくさんの卵胞のうち一つだけが大きくなり、直径が15mmくらいになるとさらにエストロゲンの分泌が増加します。
このエストロゲンが下垂体からの「黄体化ホルモン(LH)」の分泌を促し、直径が20mmくらいになった「成熟卵胞」の壁が破れて卵が卵巣の外に飛び出します(排卵)。
そして、排卵した後の卵胞はLHの刺激によって「黄体」となります。この黄体は、妊娠が成立しなかった場合には一定の日数で萎縮し、その萎縮によって、黄体から分泌されていたエストロゲンと「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の分泌が減り、それによって子宮内膜に変化が起こり、排出されるのが月経です。