子宮内膜症になると人それぞれ症状が違います。重い人、軽い人、全く症状のない人も中にはいます。ごく初期の本当に小さな発症なら初めは目立った自覚症状は全くありません。症状は第1期から第4期にまで分けられ、進行期と呼ばれるのは第2・3期になります。第4期まで進行していると末期と言えるのでかなり重度の子宮内膜症といえます。
その中でも一番分かりやすい症状を知っていればいつもと自分の身体が違うことに気づくことが出来ていち早く子宮内膜症を発見できるきっかけとなることでしょう。そして未然に重症化する事を防げる事に繋がります。
【痛みの種類】
発症後の症状として一番有名なのは「痛み」です。
子宮内膜症を発症している臓器にもよりますが、その痛みの場所によってどこに発症しているかを発見できる事もあります。ただ、この痛みは人によって全く違う場所に出る可能性があり骨盤内の臓器である場合もあれば、腰痛だったり骨盤そのものの痛みであったりする場合もあります。
ほとんどの女性は月経の際に軽重の差はあれ、生理痛を感じる事があります。これが月経の度にどんどん酷くなり鈍痛として続いていれば子宮内膜症を疑わなければなりません。ただ、この痛みでは病気の進行や程度には全く無関係なので、一概にどうなっているかを自己判断するのは難しいのです。
痛みの部位が主に下腹部痛の場合、それは子宮なのか卵巣なのか。あるいは他の臓器なのかによっても症状が違ってきます。
性交時の際の膣の奥が痛む場合、子宮と直腸のくぼみに内膜症を発症している可能性があります。また、排便時に肛門の奥に突き上げるような痛みを感じた場合、直腸に発症しているかあるいは子宮と直腸が癒着していると考えられます。
どこがどのように痛いかはっきりと自分で分かりにくい場合もあります。もしも、いつもの月経時と何かが違う、違和感がある、普段痛みのない部分に痛みを感じるようであればすぐに受診が必要です。いつもの事だからと、なにもしないでおくことが病気の進行を早めてしまう事になるからです。
これらの痛みの症状は酷くなれば日常生活にも大変な支障をきたす場合があるので、起きていられないほどの痛みになってしまったり、痛み止めが効かなくなってしまったりして治療が難しくなりかねません。
【月経時やそれ以外での出血】
次に月経時での出血の状態や、月経時以外に出血が起こる場合です。
毎月決まった周期でやってくる月経の量や状態は自分である程度把握しているはずですが、あからさまに量が多くなったりレバー状の塊が排出されたりするようになれば疑いが出てきます。量の目安としては、ナイト用のナプキンが1時間ほどで交換しなければならないほどに大量の経血が排出されるくらいとされています。
また月経以外にも出血があるなど、血便や血尿が出た場合は明らかにおかしいと気づきます。
この場合、内膜症が直腸か膀胱に発症している恐れを考えます。
その他、普段ではあまり感じられない頭痛や吐き気、めまいや疲労感、消耗感に襲われることもあります。この場合は体調が良く無い時にも起こりやすい症状で他の病気の時にも多く現れますから内膜症の症状だとは思いにくいので注意が必要です。
【症状のない場合】
そして全く症状のない場合です。避妊をしていないのに全く妊娠しない場合です。
これは自覚症状が全くないので自分では分かりません。ただ、不妊に関しては内膜症だけが原因とは限りませんから注意が必要です。他の原因も考えられますので、検査という名目で受診してみてもいいかもしれません。
【まとめ】
様々な症状がありますが、痛みや月経で知ることが出来れば分かりやすいと言えます。しかし、分かりやすい症状とばかりとは言えませんので常に自分の身体の状態を把握しておくことが大切です。