ときどき「なんで月経がくるんでしょうね。めんどうだからこなくてもいいのに!」というお話しを聞くことがあります。
子宮内膜症などにより月経痛がひどく、月経のたびにつらい思いをされる方、それによって仕事上支障がある方などにとっては、たしかに月経というのは煩わしかったり、恐怖すら覚える場合もあるかもしれませんね。
月経が起こるメカニズムはすでに勉強しました。子宮の内側の「内膜」と呼ばれる部分が周期的に変化し、その結果として月経が起こります。
ではそもそもなぜ「子宮内膜」がそのような変化をするのでしょうか。
卵子と精子が受精すると子宮内膜の中に受精卵が入り込みます。これを「着床」といいますが、受精卵は内膜から栄養物をもらって成長していきます。そのためには子宮内膜は着床しやすい状態である必要があります。しかし、受精しなかった場合には、着床は起こりませんので、内膜は不要になります。
このように受精卵を受け入れる着床の場所を常に良い状態にしておくために、不要な子宮内膜が剥がれ落ちて、新しい子宮内膜が再び用意されるのです。
つまり、次の受精卵を迎えるために周期ごとに「リセットする」ことこそが月経なのです。
これはとても大事な現象で、もしきちんとリセットできなければ受精卵を受け入れる準備が整わないということになります。
月経の際、痛みがあったり、つらい症状が出るということは体のバランスが乱れていて、それでも無理してリセットしようとすることから起こると考えます。
逆に体のバランスが整うと自然とつらい症状も起こらなくなってきますよ。
また、つらい症状もないのに「月経なんてない方が」という方は、体のバランスが整っているから月経がつらくないんだ、と思って体に感謝しましょう!