子宮内膜症は女性ホルモンに影響されるため、生理の回数がふえると起こりやすくなります。現代は出産しない女性や高齢出産がふえたことで、結果的に子宮内膜症がふえているといわれます。
子宮内膜症を防ぐには、季節に応じて洋服をかげんする、冷たいものをとりすぎず体をあたためる食材をとる、夜更かしはしない、適度に運動をする、ストレスをうまく発散する……、生活習慣を見直し、大元の原因である冷えを改善していくのが、なによりの予防法になります。
「仕事が忙しくて難しい」「上の子の育児に追われて思うようにいかない」など、生活習慣をととのえる自信がない人は、漢方あるいは鍼灸を定期的につづけていくのもおすすめです。
漢方や鍼灸は病気の治療に用いられると思われがちですが、実はそれだけではなく予防にも役立っているもの。漢方にしても鍼灸にしても、もとを正すと中国の皇帝の不老長寿のためにつくられたものだからです。
そこで、いろいろな研究がなされて国民にも広く伝えられるようになり、いいものだけがいまに残っている。生涯、元気で生活できるように、というものなので、予防したい人も漢方や鍼灸を利用するといいのです。
当院では漢方と鍼灸の両方を受けられますが、その最大のメリットはそれぞれのいい部分を体質改善に生かせること。
漢方は足りないものをふやしたり、少ないものを補ったりするのが得意な分野。一方、気や血液などの流れをよくすることが得意なのが鍼灸です。気の流れとは西洋医学的にいうと、自律神経のバランスをととのえる、あるいはエネルギーの流れをととのえるということですね。
漢方と鍼灸は、そんなふうに左右するところが違うので、お互いの特徴を合わせることで、相乗効果が得られるのです。
治療の流れは、漢方も鍼灸も東洋医学という考えをもとにして出てきた医療体系ですから、基本は同じです。
初診では、べろを診たり、脈をとったり、東洋医学の診断に基づいて、その方の様子をくわしくうかがいます。そして体質を判別し、それによって治療方針を決めていきます。
漢方であれば、煎じ薬にするのか、粉薬にするのか、あるいは錠剤かという希望も聞きながら決めていきます。
鍼灸についても体質を見極めたら、それによってどんなツボを使うか決めていきます。排卵期なのか、高温期なのか、生理周期によってもツボの配穴を変えていきます。
漢方と鍼灸にプラス、ふだんの生活習慣も体質改善するうえで、重要なポイントなので、食事や運動、ストレスコントロール、冷えの注意など、そういった説明もさせてもらうことになります。
漢方治療がスタートしたら、定期的に様子を伺い、そのときの体調や季節の移り変わりによっても、お薬を検討していきます。鍼灸は毎週、定期的に通っていただくことをおすすめしています。
子宮内膜症予防はもちろん、健やかな体づくりにも漢方と鍼灸を役立ててください!