子宮内膜症にかかる女性は年々増え続け、10人に一人がかかっているといわれています。
そして、発症年齢に関しては以前は33歳前後がもっとも患者数が多かったのですが、現在では20代前半~30代前半の女性に増え、10代後半でも見られるようになりました。
どうしてこのような変化が起こったかというと、医療の進歩により子宮内膜症を発見しやすくなったことや初経年齢が低下したことが考えられますが、現代の女性の生活様式が大きく変わったことも原因となっています。
子宮内膜症は月経の際、体の外へ排出されるべき血が卵管を腹空内に逆流することが原因と考えられているため、月経回数が多ければ多いほど発症の危険性が増します。
昭和初期以前の女性は初潮を迎える年齢になると結婚し、何度も妊娠・出産・授乳を繰り返していました。そのような女性たちは妊娠中はもちろん、授乳中も月経が起こらないので、一生のうちで経験する月経は40~50回程度しかなかったのです。
そのため子宮内膜症が進行する前に、次の妊娠をして子宮内膜症が治っていました。
しかし、現代の女性は出産を経験する回数が極端に少なくなり、初めての出産をする年齢も高くなっています。さらに生涯一度も妊娠・出産を経験しない女性もいます。つまり現代の女性の体は、月経が休むことなく繰り返され、一生のうち経験する月経回数は400回にもなります。
この数は昔の女性の約10倍にもなり、これにより子宮内膜症を発症する危険性が増えているというわけです。