大きな4つの原因
子宮内膜症で考えられる原因としては現在、大きく分けて4つの要因があると考えられています。
うち2つは臓器や細胞で起こる身体的理由によるもので残り2つは現代の要因を主としたものになります。
【2つの主な原因】
まず初めに移動説です。毎月起こる月経の際、剥がれ落ちた内膜を含んだ血液が子宮口へ向かわずに逆流し卵管を通って卵巣や腹部の臓器に滞留します。その時に内膜の組織が増殖して病気を引き起こします。多くはこの原因が最も一般的とされています。
次に化生説です。腹膜上皮という細胞が子宮内膜へ変化して増殖する場合です。これはどのような影響で起こるのか全く知られておらず、現在もまだ研究中です。
現代ではこの2つの原因が主として考えられていますが、昔とは違い女性を取り巻く生活環境も大きく変わり世間での女性の役割が大きくなってきたので他の原因も重要視されてきました。
【現代は子宮内膜症になりやすい!?】
私達のおばあちゃん世代だった昔の女性は早くに結婚し、すぐに妊娠して子沢山な女性が沢山いました。その女性達は一生のうちに50回ほどしか月経を経験しない人ばかりだったのです。しかし現在の女性はどうでしょう。晩婚化に伴い未婚のまま出産経験のない女性が増え、既婚女性の場合は生涯出産する子供の数が2人を切っています。ということは人生での月経の数はゆうに50回を超え、内膜症になりやすい環境と可能性を作り出しているともいえます。
【アレルギーも要因の一つ】
そのせいか現代病とされているアレルギー説も要因の一つではないかと言われるようになってきました。アレルギーに悩む女性は多く、今では年間を通してアレルギーに関した病気があります。実際にも内膜症を患っている女性はアレルギーを持っている人が多く、抗アレルギー薬を処方したら症状が軽減や改善されたと報告されている事から一番注目されている原因の一つです。
一般的に性交の回数が多い、月経時にタンポンを使用しているのが根本的な原因ではないかと思う方も多いようですが、それなら周りには内膜症にかかる女性が大勢いる事になってしまいますので原因とは考えられていません。
【ストレスによる要因】
それよりも生活に密着していて一番身近で考えられるのはストレス説です。
身体的なものとしては自律神経やホルモンのバランスによるものです。
人は身体の内面を司る自律神経とホルモンの分泌、外面的な免疫系のバランスを保って健康でいられるわけですが、過度なストレスが重なるとバランスが崩れてしまい、色々な影響が出てきます。その影響が一番出やすい場所は女性では子宮や卵巣といった一番弱い臓器なのです。
内面的な要因で骨盤内の臓器の血流が悪くなり、身体的な要因として過労や疲労、急激な運動や体力の低下や冷えなどからさらに拍車がかかります。「冷え」は一般的に女性には大敵であることは良く知られています。内臓を冷やすことは疾患を起こりやすくすると言われています。このことからストレスが大きな原因と考えられる事も最近では言われるようになってきました。
【女性はストレスを抱えやすい】
最後に精神的要因があります。女性は男性と違っていろんな場面で人との関りを沢山持っています。会社では仕事をしながら様々な人間関係を築き、家庭では夫と子供で家族の関りを持つ。子供がいれば子供の教育関係での関りが生まれ、住む場所では近所での関りが出てきます。それぞれの親の問題や経済的なことまで色々な事を抱えていて男性と比べてはるかに精神的要因になりやすい場面が多いと言えます。
【まとめ】
以上の事から原因と考えられる理由が多岐にわたる事や、時代が変わり女性の生活や出産の状況も変わってきたことから要因が増えている事も事実です。はっきりとした原因はこれであると言い切れるものがまだ解明されていません。