Hさん、34歳、主婦(埼玉県本庄市)
来店当時Hさんには3歳になる娘さんがいて、お聞きすると「娘をお姉ちゃんにしてあげたいです。」ということ。
一人目を出産後、生理は一時再開したものの、その後生理がとまってしまいました。
その頃お仕事もなさっていてストレスが多く、Hさんは原因はそれだと思っていたので、特に病院にも行かずにいたのでした。
そうしているうちに2人目がほしいと思い始め、ストレスの多い仕事は良くないと思い退職されました。
地元の婦人科に通い、血液検査をした結果
・FSH61
・エストラジオール(E2)10以下
・アンチミューラリアンホルモン(AMH)0.16以下(検出限界以下)
と妊娠はかなり難しいことが分かりました。
FSHとは脳から分泌されるホルモンで、卵胞刺激ホルモンといいます。その名の通り、卵胞を刺激して卵胞を育てるホルモン。これがたくさん分泌されているということは卵巣の働きが低下していることを意味しており、これが61もあるというのは閉経してもおかしくない数値です。
また、AMHが低いというのは卵巣にある残りの卵胞が少ないということです。
「かなり厳しい状況だね」と医師から何度も言われたけれども、娘のためにも赤ちゃんが欲しいということです。
Hさんの場合、漢方でも「厳しい状況」というのに変わりはありませんが、西洋医学とは違うアプローチができることは大変な強みです。
他にも貧血、肝機能異常、冷え、疲れなどがありまいたが、これらも加味して漢方を選び「希望を持って体質改善してゆきましょう」と伝え、早速その日からスタートしました。
Hさん、漢方薬を忘れずにきちんと服用され、毎日の生活面でも私の注意をしっかりと守って生活されていました。
そして漢方をスタートして3カ月も経たないある日の相談日のこと
「先生、実は・・・妊娠していました!」
というではありませんか。
聞くと病院で診てもらったところ、「排卵しそうな卵があり、内膜も厚くなっていて良い感じ」と言われ、その日に夫婦生活を持ったということです。
医師からも「かなり厳しい状況」と言われながらもあきらめず、可能性を信じ体質改善に取り組んだことがこのような素晴らしい形で実を結び、本当に嬉しいことです!
科学では考えられないようなことが漢方の世界でしばしば起こります。
漢方が科学より優れているというのではありません。
先入観を持たず、ひとつの考え方にとらわれず、さまざまな角度で物事を観ることの大切さをあらためて確認させてくれたケースでした。