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【症例72】手術からわずか3カ月後の人工授精で妊娠!

 チョコレートのう胞が大きくなると、手術される方もおられますが、手術するとやはり卵巣に負担がかかり、卵巣機能が落ちてしまいます。

それも困ったことなので手術後、できるだけ卵巣機能が落ちないように、手術前から漢方と鍼灸で体質改善していただく。そうすることで、その後、無事に妊娠、出産された方もおられます。

 34才から不妊治療を始めたYさんもその一人です。

Yさんが当院を訪れたのは37才のとき。左右の卵巣に5cm以上のチョコレートのう胞があることがわかったのがきっかけでした。加えて子宮筋腫もありました。

やはりこれだけ大きいチョコレートのう胞があれば、手術の適用になりますが、前述したように手術をすると卵巣機能が落ちてしまいます。かといって、そのまま放っておいても卵の質を悪くすることになります。

Yさんは、そこまでご自分でわかっておられましたから「手術をするにしても、できるだけ卵巣機能を落とさないようにしたい」、それが当院を訪れたいちばんの目的でした。

 いらしてからすぐに漢方と鍼灸を同時にスタート。Yさんの仕事は忙しくストレスもかかりがちでしたので、食事や運動など生活習慣の改善の指導もさせていただきました。

その後1カ月ほどしてから、偽閉経療法で閉経と同じような状態にして、チョコレートのう胞を小さくしてから手術することになりました。病院でそういった薬を使う治療をしている間も、ずっと漢方と鍼灸はつづけておられました。

 その後、5カ月ほどしてから手術。チョコレートのう胞はすべて摘出できたものの、手術前には2あったAMH値が、手術後には0.6にダウン。手術でごっそりと卵子も取り去ってしまったことがわかる数字です。

 そんなふうに、かなり卵巣にも負担の大きい治療、手術でしたが、手術してから3カ月後には人工授精にトライ。なんと1回目で妊娠が確認できました。

 やはりチョコレートのう胞があると卵の質は落ちますし、また手術をしたことで卵巣機能が低下することも実際に起こってしまいました。

けれどもYさんのように、漢方で血流をよくしながら、卵の細胞膜が劣化するのを防ぎ、また肝や腎、脾など五臓を鍼灸で元気づけて、卵の質はもとより体全体の状態を改善していけば、妊娠に結びつくこともあるのです。

 無事にご出産されてからは「手術を受けて状況的には厳しいと思っていたのに、1年後にまさかわが子が抱けるとは夢にも思いませんでした。ほんとうにありがとうございました」と、うれしい報告をしてくださったYさん。
これもYさんが病院に通いながらも、きちんと漢方と鍼灸をつづけてくださった賜物です。これからはのんびりと子育てを楽しんでください、とお返事させていただきました。

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