ニキビ
主に顔面や胸・背部の毛嚢に一致して生じる赤色丘疹や、頂点に黒点のある丘疹をいう。膿胞・結節、膿腫を生じることもあります。中医学古典には「汗出でて湿を見わせば、即ち?ひを生ず」の記載があります。現代中医学では、体内で発生した「熱」が皮膚に影響を与え、それに外界の風熱刺激が加わるとニキビが発生すると考えられるほかに、肺・肝・脾胃の機能の乱れが大いに関与すると見られています。
漢方における原因
中医学では、皮膚は内臓の鏡であると認識し、内臓の様々な皮膚に現れたものが皮膚病であると捉えます。ニキビは主に肺・肝・脾胃・血液と関連が深いと考えられます。
- 肺熱によるニキビ
熱邪が外部から肺に侵入したり、他臓腑の熱邪が肺を犯したりすると肺熱が生じます。肺は皮膚をつかさどるため、肺熱が皮膚に鬱積して発散できないとニキビになります。 - 胃熱によるニキビ
食事の不摂生により胃火が生じたり、または普段からの辛い物の過食により胃熱が生れ、これが皮膚に鬱してニキビができます。 - 血熱によるニキビ
心・肝の熱性病変により血熱が生れ、皮膚に影響するとニキビになります。 - 瘀血によるニキビ
いろいろな疾患の慢性化によって瘀血が生れ、皮膚の血液循環が悪くなってニキビができます。 - 気血不足によるニキビ
月経量過多などにより気血が不足すると、顔面部まで気血が上がらず皮膚が正常に滋養されずにニキビになります
よく使う漢方
・清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
・温清飲(うんせいいん)
・補中益気湯(ほちゅうえきとう)
日常の注意
- よく洗顔して肌を清潔に保つ。
- 油性の化粧品、毛孔を塞ぐ化粧を避ける。
- ニキビを指で触ったり、潰したりするなどの刺激を加えない。
- ニキビを増悪させる因子であるイライラなどの精神的なストレスはできるだけ避ける。
- 栄養バランスのとれた食事
a.緑野菜やビタミン類、食物繊維、タンパク質を豊富に含む食事
b.油っこい物、辛い物、甘い物を避ける
c.便秘を予防する
※適する漢方は一人ひとり異なります。上記症状でお悩みの方は升屋栄貫堂までご相談ください。