どうすれば妊娠できる?
不妊症の解決はバランスのとれた体づくりから
現代の複雑な社会環境の中で女性の体には多くのひずみがあらわれています。たとえば生理痛にしても「生理の時に痛みがあるのは当たり前」と思っている方がなんと多いことか。本来、生理痛というのはないか、あっても多少の不快感程度が正常です。生理のたびに一日寝込んだり、鎮痛剤を飲まなければならないという方は体からの注意信号と考えてよいと思います。実際、不妊症でお悩みの方に生理の様子を伺ってみるとレバー状の塊を含み、生理痛を伴う状況となっていることが非常に多いのです。このような場合、子宮の中には新鮮な血液が充分に集まっていない場合が多いので、受精したとしても着床しないし、着床したとしても妊娠が継続できない環境となっているものと考えられます。
このような方がきちんと漢方を飲み、さらに養生をすると、体温の変化が高温期と低音期のきれいな二層にわかれ、生理期にはサラサラとした鮮血がたくさん排出きれ、レバー状の塊を含まず、生理痛もないという状況に改善されてきます。そうなるとそろそろ体調が整い、子宮や全身のバランスが良い状態に近づいてきていると考えます。
このように全く健康そのものにみえても、実はからだに相当「ひずみ」のある方が多いということを考えると、「検査で異常がない・自覚症状がない」から「健康である」という思い違いを改め「ひずみ」を正すことに力を注いでいただきたいと強く思うのです。
内膜のふわふわベッドをつくろう
受精卵が子宮に運ばれてきても、何らかの原因で着床できないと妊娠には至りません。考えられる原因としては子宮筋腫、ポリープ、子宮内腔の癒着、黄体機能不全などがあります。このように子宮内膜が固かったり、でこぼこだったり、厚さが足りなかったりするのでは、受精卵が安心して着床し、根をはることができませんね。
通常、子宮内膜は排卵や受精のタイミングに合わせるように周期的に厚みを増してゆきます。毛足の長いじゅうたんやふかふかの厚い羽毛布団をイメージしてみてください。人間だってごつごつの岩の上や薄いせんべい布団よりは、ふかふかじゅうたんや羽毛布団のほうが心地良いですよね。
このようにフワフワの健康な子宮内膜をつくることがひとつの目標です。自然妊娠を成功させるにしても、たとえ人工授精、体外受精、顕微授精などを行うにしても、それらを最終的に出産という形で迎えるために、からだの下地をつくっておくことが何より重要なのです。
ライフスタイルと病気
不妊症の原因となりうる子宮内膜症、子宮筋腫、その他月経のトラブルに悩まされる女性は非常に多いようです。このような病気・症状の中には現代女性のライフスタイルと密接な関係があるものもあるようです。
例えばダイエットやファーストフードなど食事のアンバランスです。これらにより栄養バランスが乱れ、必要な「気」「血」も作り出すことができなくなってしまいます。当然、「肝」にストックされる「血」も減り、月経を起こす力も弱くなってしまうのです。さらに体も疲れやすくなり、髪や肌がツヤや潤いを失うなどの症状が現われるようになります。
また、冷えとストレスは「気」「血」が滞る二大原因です。たとえば冬でも薄着をしてアイスを食べ、生理中でも冷たい飲み物やなまものをとるなど、冷えに対してあまりにも無防備です。そのうえ家事に、仕事にと忙しくストレスがたまりがち。ストレスは自律神経の働きなどに大きく影響します。
病気や症状の原因・引き金となるものは他にたくさんありますが、大事な体に負担をかけるようなライフスタイルは積極的に改善していただきたいものです。