私たちは、妊娠しやすい体づくりのために漢方や鍼灸を利用するだけでなく、養生(毎日の生活スタイル)も、とても大切なことだと考え、さまざまな情報を提供しています。
お食事や生活リズム、ストレス、疲れ、冷え、などなどが体質に影響するからです。
でも、これさえやれば確実に妊娠できるという「養生法」があるわけではありません。
リスクのあることは避け、体に良いことは取り入れることで「妊娠する力」を少しでもバックアップしようということです。
だから私たちは「個人の体験談や成功事例」も参考にするのですが、できるだけ「医学的、統計学的なデータ」をもとにアドバイスさせていただいています。
とはいっても、やはりそれは「絶対正しい」のではなく、良いだろうという「傾向」を示してくれるだけです。
たとえば、タバコを吸う女性の不妊のリスクは2倍になるというのは、統計データではその通りですが、タバコを吸う女性でも妊娠、出産している方もいます。タバコを吸うか、吸わないかだけで、妊娠が決まるわけではありません。タバコを吸っているけれども、それ以外は完璧に健康な生活をしている女性と、タバコは吸わないけれども、不規則で乱れた生活の女性では、どちらが妊娠しやすいのか、とお医者さんに質問してもきっと「わからない」と答えるでしょう。
つまり誰にでもあてはまる「正解」なんてないんですね。
「これをやれば必ず妊娠できる!」と信じ、がむしゃらに実践することって、自分の体に「妊娠しなさい!」と「命令」しているようなもの。
そうではなくて、体が持っている妊娠する力が引き出されるように、「応援」することが大事だと思うのです。
たとえばあなたが受験生だとします。親から
「もっと勉強しなさい!」
と「命令」された時と、
「がんばってるね。手伝えることがあったら言ってね。」
と「応援」された時とでどちらがあなたは力がわきますか?
このように、妊娠できる方法を「青い鳥」のように、探し求め続けるのではなく、「傾向」を参考にしながら、心と体が発する声に耳を傾けることが大切なのだと思います。
さらに、「命令」とは心と体を無理矢理働かせて「妊娠させる」という意図が含まれます。
それに対して、「応援」は、普段から準備をしっかりして、自然(神様?)にまかせて、待とうとするかのようです。
ぜひ自分の心と体、そして未だ見ぬ我が子の力を信じて、応援したいものですね。