生理のある女性の10人に1人はかかるといわれる子宮内膜症。女性の社会進出による晩婚化や高齢出産の増加などのライフスタイルの変化によって、近年増加しています。子宮内膜症になると、激痛を伴う生理痛や不妊症を引き起こします。また、がん化もしやすい病気で卵巣がんの原因にもなります。女性の体に大きな負担となる子宮内膜症を予防する方法はあるのでしょうか?今回は子宮内膜症と予防について紹介します。
子宮内膜症の原因は不明!?予防方法はないの?
子宮内膜症は、子宮内膜が子宮以外の場所にできてしまう病気です。子宮内にある子宮内膜は、毎月生理の時に膣から体外へ排出されます。しかし、子宮以外の場所にできてしまった内膜は、膣から排出することができず、毎月ごとに増殖されます。大きくなった子宮内膜は、骨盤内の炎症や癒着をおこします。しかし、子宮内膜が子宮以外の場所にできてしまう原因は諸説あり、はっきりと解明されていません。原因がわからないので、予防策についても残念ながら確実なものがないのが現状です。
食生活や生活習慣の見直しで子宮内膜症の予防をしよう!
子宮内膜症には食生活と生活習慣に気を付けることがとても大切と言われています。食生活や生活習慣の見直すことで体質が改善されると、体内の血流や体液などの巡りがよくなり、ホルモンバランスが整います。その結果、子宮や卵巣などの機能があがり、子宮内膜症の予防に繋がるのです。具体的には以下のことに気を付けて生活するとよいと言われています。
■バランスのよい食事
■ストレスを溜めない
■適度な運動
■十分な睡眠
■体を冷やさない
■禁煙
月経血の逆流を防ぐと子宮内膜症予防になるの?
子宮内膜症は原因不明ですが、月経血の逆流が原因のひとつとして考えられています。月経血の逆流とは、生理の時に膣から体外に排出されるのではなく、卵管などへ逆流をしてしまい、その他の臓器に溜まってしてしまうことです。逆流の手助けをしてしまうような、生理中の性交渉やタンポンの使用は避けたほうがよいという説もありますので注意しましょう。
薬やサプリメントで子宮内膜症の予防はできるの?
子宮内膜症は、生理の回数が増えれば増えるほど重症化していき、閉経を迎えるまでは完治が難しい病気です。西洋医学では病気の原因が不明なので予防の薬はありません。
薬物療法は、妊娠時もしくは閉経時とホルモン状態を同じにして、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌を抑え、生理を止め、量を減らすことができます。子宮内膜症になりやすいと言われている月経困難症の人には、薬物療法が子宮内膜症予防に有効だと言われています。また、薬物療法は、既に子宮内膜症の腹腔鏡手術や回復手術を受けた人の再発予防にも行われます。
薬物療法の種類はいくつかあり、どの療法を実施するのかは、年齢や進行度合い、症状、妊娠を望むか望まないかなどの患者のライフステージによって変わってきます。信頼できる医師に相談して、適切な治療を納得した上で受けるようにしましょう。
軽度の場合、漢方薬やサプリメントで進行の度合いが遅くなったり、劇的な変化があるケースは多々ありますので、やはり早期発見は大事なことですね。
まとめ
子宮内膜症は現時点で確実な予防方法がありません。どの病気にも言えることですが、ストレスを溜めずに規則正しい食生活や生活習慣を送ることが予防に繋がります。また、早めの治療が有効ですので、激しい生理痛や月経過多など、少しでもおかしい症状がある場合は、医師に相談してみましょう。